歯科という診療科目は日本全国で診られている科目であり、多くの人が受診する医院となりました。そして日本国内では健康保険制度が存在しており、これによって必要に応じて費用負担を軽くしたまま必要な診療を受けることが出るようになっています。もちろんこれらの制度は歓迎するべきものであるのですが、しかしながら歯科において保険診療は悪影響と呼べるような影響も与えてしまっているのが現状です。ではその悪影響とは何かというと、最も重要なのが「患者一人当たりにかける時間が短くとも診療内容が基準を満たしていれば報酬が支払われる」ということです。
アルバイトなどでは時給、一時間ごとに給与額が決定されていくシステムが一般的ですが、医療の現場では治療の一件ごとに対して報酬が定められています。歯科も当然このシステムの中で運営がされるのですが、これによって患者一人一人の歯をしっかり診るよりも数をこなした方が利益になるという形が作られてしまっています。加えて歯科は現在、コンビニよりも医院の数が多いということにもなってしまっていますから、利益を安定して出すためにどんどん患者一人当たりの時間が削られる傾向にあるのです。もちろん全ての医院で患者を短時間で回しているというわけではないのですが、利益が少なくなれば医院を存続させるために患者一人当たりに割く時間を短くするというのはシステム上仕方のないことだと言えるでしょう。
今後、より安心して治療を受けるためには患者自身も治療のことを知り、しっかりと歯科を選ぶ姿勢が必要になるのです。